Finland of 源池設計室マンデーコラム

HOME > Finland


2014年1月

Vol.527 似ている!北欧と松本の暮らし

2014.01.09

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
2014年、本年も宜しくお願い申し上げます。
長いお休みをいただき、源池設計室は今日から仕事始めです。

1月1日から8日まで、フィンランドへ行き、
ヘルシンキ近郊で念願のAlvar Aaltoの建築を堪能しました。
そして6日目には友人の家でまったりと北欧生活を満喫。

DSCF1392.JPG
ヘルシンキから電車Rで約40分の町Hyvinkää。
朝10時、日の出から30分位経った所です。

DSCF1395.JPG
木造の駅舎。
中には待合室やカフェ、小さなお店も。

IMG_1601.JPG
Tarmo&Asakoの家。60年代に建てられたそう。
把手もかわいい!趣のある家、大切に使っている。

DSCF1535.JPG
窓辺にはキャンドルのイルミネーション。
この風景、色々な所で外から楽しんでいました。

DSCF1547.JPG
まずはホットなGlogiで乾杯!(あったまる)
スパイスの入ったベリージュースにウォッカ。
アーモンドやレーズンを入れて飲みます。

IMG_1608.JPG
Aalto Studioでも見たキッチンの引出式『まな板』
実際に使っているのを見て感動!
こちらは2段式、実際は上しか使っていないそう。

IMG_1616.JPG
リクエストしたトナカイ肉!マッシュポテト添え。
摘んできたコケモモのジャムは必須。

IMG_1620.JPG
クリスマスパイJoulutorttualto(ヨウルトルットゥ)
中はプルーンのジャム。Tarmo特製です。

IMG_1623.JPG
大半のフィンランドの家にはある『サウナ』も体験。
熱くなった石にビールを少したらすと香ばしい匂い。
これはTarmoのオススメです。

DSCF1558.JPG
毎年どこかの街で開催されるFinland住宅フェア。
昨年はここHyvinkääでした。
最新の住宅を外から見学、
中の様子は雑誌『deco』で見せて頂きました。
この新しい住宅地の公園を設計したのがAsako。
日本の庭『三花園』です。(すごい!)

北欧の暮らしと松本の暮らしは似ている!
少し行くと自然があって、キノコやベリーも豊富、クラフトも盛ん。
古いものを大切に使う。
寒い時期が長いので、家の中で楽しむ事も共通している。
遠く離れた北欧の地で、暮らしを楽しんでいる友人に
「似たような生活をしているね!」と言われ、すごく嬉しくなっちゃいました。

初めての北欧フィンランド。
日本から一番近いヨーロッパ。
素敵なフィンランドをマンデーコラムでご紹介したいと思います。
次回はAaltoです。

Vol.528 フィンランド国民年金協会(Aalto)

2014.01.13

ヘルシンキ市内にある『フィンランド国民年金協会』は1956年に完成。
トラム7か4か10に乗って「kansaneläkelaitos」で下車、目の前にあります。
メインホールを抜けると多層のスカイライトのある広い空間、
ここは当初、窓口があったそうですが、今は会議室として利用されています。
中にある照明器具や家具も勿論、アアルトのデザイン。
内部の6色のタイルは食器でも有名なARABIA社でつくらせたもの。
アアルトはタイルを好んで使っていましたが、
タイルは美しい、耐久性がある、そして掃除がしやすい!という点が気に入っていたそうです。
案内をしてくれた年金会館の職員の方も「そんなに掃除していないのよ、でもきれいでしょ」と。
食堂から見える中庭の中央には桜の木、そして元々あったという白樺の木。
ここの暖房システムは天井に銅管を巡らせ、そこにアルミ板、デザインもいいし、効率もいい!
丸い天窓のある図書室は、旧フィンランド領で現在はロシアのヴィボルグ図書館を再現したそうで、
手前の部屋は白樺材、奥の部屋はマホガニー材と使い分けをしたそうです。


fin01.jpg

DSCF0880.JPG
外観。
レンガと銅とガラス。

DSCF0988.JPG
壁、天井、床、コートハンガーなど
グリッド柄のデザインが統一されています。

DSCF0899.JPG
当初お客様窓口のブースがあった場所。
4つの大きな水槽のようなスカイライト。

DSCF0901.JPG
下から見ると三角形のガラス、
その外側に照明器具、またその外側にガラス。

DSCF0931.JPG
中庭の見える食堂。

DSCN6796.JPG
天井の暖房システム。

DSCN6801.JPG
中庭の桜。アアルトは一般の人も
通れる中庭にしたかったそうです(実現せず)

DSCF0948.JPG
図書室。下の階層の本棚上の照明器具は
法律が変わり、照度が足りず後付けだそう。

DSCN6827.JPG
丸い天窓から空を見る。
白樺の木が切り取られた絵の様です。

DSCN6872.JPG
取締役室ロビーにあるチェア。
同じものが「ルイカレ邸」にあるとの事。

DSCN6739.JPG
メインホールの照明

DSCN6866.JPG
取締役室の照明

DSCF0980.JPG
取締役の会議室。
議長席もカーテンも統一のデザイン。

DSCN7307.JPG
50周年記念の時に関係者に配られたという本。
非売品を頂き有難うございます!

ヘルシンキにある「マイ・スオミ」というツアー会社に「アアルト・ツアー」をアレンジして頂きました。
通常はアアルト大学がコースの一つらしいですが、現在工事中の為、
この国民年金会館への案内になっているそう。
でも個人的にはこちらの方が絶対良かったです。
ガイドの方もしっかり説明をしてくれて、じっくり色々な質問もでき、
フィンランド語も翻訳してくれるので、本当に助かりました!

Vol.529 Atelier Aalto, 1955

2014.01.20

トラム4に乗って「Laajalahden aukio」で下車、
海方向を見て右折し、教会を越え、暫く歩いて細い道を左折、
突き当りの向かって右側にアアルトのアトリエがあります(徒歩10分くらい)
高級住宅地の中にあるので、周囲の家を見ながら行くのも楽しいです。


2_0001.jpg

IMG_1338.JPG
白いレンガの外観。
自邸のアトリエが手狭になり、こちらを建設。

DSCF1036.JPG
2階の製図室。
東南にはハイサイドライト。

DSCF1056.JPG
この黒い板張りの壁は
違う住宅に使うために実験的に張ったそう。

DSCF1032.JPG
2階に上がる階段の手摺。
とっても握りやすい。

DSCF1006.JPG
アトリエにはパイオミチェアも置かれていて
座ってもOK。患者さんが楽なように設計された椅子。

DSCF1059.JPG
室内の壁はウールの断熱材の上に
ダンボールを張ったもの。

DSCF1015.JPG
食堂にある食器棚の抽斗や吊戸棚は
キッチン側、食堂側両方から使えます。

DSCF1071.JPG
暖房は電気の温水タイプ。
その構造も見せてくれました。

DSCF1082.JPG
紀元、現世、未来をこの建物で表現。
中庭の野外劇場は「紀元」を顕す。

IMG_1373.JPG
波型状の基礎。
庭にあるのはヒメリンゴ。

IMG_1340.JPG
入口の把手は定番!

IMG_1341.JPG
勿論、照明にも拘るアアルト。

Vol.530 Villa Aalto, 1936

2014.01.27

トラム4の「Laajalahden aukio」からアトリエとはちょうど反対側にあるアアルトの自邸。
少し小高い場所にあるこの敷地、海が見えるので選んだようです。
残念ながら今は見る事が出来ません。
当初は自宅兼事務所でしたが、事務所としては手狭となり、
後にアトリエをこの近くに建てましたが、亡くなるまでの40年間、
妻アイノ、二番目の妻エリッサとここで暮らしたそうです。


27.jpg

DSCF1287.JPG
白いスタッコを塗ったレンガと
焦げ茶色の羽目板張り、道路からの外観。

DSCF1092.JPG
中二階にバルコニーのある天井の高い製図室。
コーナー窓のある所がアアルトのデスク。

DSCN7116.JPG
スタジオに掛けられている製図定規と
麦わら帽子が、真似したくなります。

DSCF1136.JPG
玄関から入って正面に1階リビング。
無垢の床材の足触りがとてもいいです。

DSCF1139.JPG
黒いゆったりした1人掛けのソファは
アアルトが初めてのお給料で買ったそうです。

DSCF1154.JPG
リビング隣のダイニングルーム。
天井の高さと明るさが抑えれていて心地いい。

DSCN7132.JPG
家の模型。

DSCN7228.JPG
家のスケッチ。

DSCN7152.JPG
フィンランドの家には珍しい浴槽がありました。

IMG_1296.JPG
サウナは必須!サウナから直接外へ出る事が可能。

DSCF1162.JPG
階段を上がったホールには暖炉。
それぞれの個室へと繋がっています。

DSCF1107.JPG
暖炉の前のソファ。
窓の高さも抑えられて落ち着きます。

DSCN7137.JPG
ちょっと高めのベッド。
階段の上にちょうどあります。

DSCF1124.JPG
1階のスタジオからも2階のホールからも
行くことができるルーフテラス

DSCN7242.JPG
南の庭から建物を眺める。
夏には緑のツタが建物を覆います。

DSCF1182.JPG
裏庭のルミマルヤ(Lumimarja )
マリメッコのモチーフとしても有名。

Vol.531 Hyvää syntymäpäivää!

2014.02.03

Hyvää syntymäpäivää!(フュヴァー・シュィントゥナヴァイヴァ!)はフィンランド語で
お誕生日おめでとう!
今日、2月3日はアアルトの誕生日なんです。
1898年生まれだから、生きてたら116歳。
今週のマンデーコラムは、ヘルシンキ界隈で見つけたアアルト設計の建物です。


uni.jpg

DSCF1229.JPG
アアルト大学(旧ヘルシンキ工科大学)
バスで30分位のオタニエミ市にあります。

IMG_1220.JPG
階段状になっているトップライトのある
大学講堂を外から上がって眺めた景色。

IMG_1212.JPG
アアルトの建物で定番の把手。
大学は2段重ねです。

DSCF1231.JPG
とにかく広い構内。冬休み中だったので中には
入れませんでしたが、建築の学生さんに会いました。

DSCF0840.JPG
フィンランディアホール 1971年
ヘルシンキ中央駅近くにあるコンサートホール。

DSCN6691.JPG
白い大理石の外壁。ペデストリアンデッキにある
照明器具は目線にあっても気にならない。

DSCN7248.JPG
カンピ広場近くにある電力会社ビル。
入口の把手を見てもすぐ分かる!2段重ね。

DSCN7245.JPG
1階にあるカフェまでは誰でも入る事が出来ます。
スカイライトはフィンランド国民年金会館に似た雰囲気。

DSCF1669.JPG
映画「かもめ食堂」にも出てきたアカデミア書店。
カフェ・アアルトは2階の奥です。

DSCF1666.JPG
把手は3段重ねでした。カフェ・アアルトがあるのに
1階にはスタバがありました(驚)

DSCF0769.JPG
Stora Enso Gutzeit(エンソ・グートツァイトビル)
マーケット広場付近、朝の散歩で偶然発見!

DSCF1656.JPG
レストラン「SAVOY」。内装をアアルトが手掛ける。
照明Golden Bellが白く塗られたレンガの壁に映える!

IMG_1647.JPG
テラス席からは町が一望。

IMG_1655.JPG
デザートまで美味しくいただきました!

Vol.532 Kirkko(キルッコ)

2014.02.10

フィンランド語で教会のことをKirkko(キルッコ)というそうです。
今回の旅で、ヘルシンキ界隈の教会を巡りました。
アカデミア書店で購入した本を頼りに、あまり下調べもせずに行った場所もあり、
内部に入れなかった教会もありました。
また、アアルト大学内にあるオタニエミ教会も冬休み中でNG。
次回リベンジで、青空の下行ってみたいです。

DSCF0819.JPG
フィンランドで一番有名な『石の教会』
テンペリアウキオ教会は私と同い年です。

DSCF0824.JPG
教会内壁はくりぬいた岩盤がそのまま
使われており、音響も良いそうです。

DSCF1373.JPG
音楽家でもある建築家ユハ・レイヴィスカ設計
ミュールマキ教会(1984年竣工)

DSCF1353.JPG
ヘルシンキ中央駅から電車で15分位の
Louhela駅の目の前にあります。

DSCF0773.JPG
カンピ礼拝堂は2012年竣工の木造建築。
中央駅近くのショッピングセンターの前にあります。

DSCF0775.JPG
天井を見上げると自然光と照明の明かりが重なり、
船底を見上げるような、穏やかな時間が流れます。

DSCF1397.JPG
友人の住む町にあるヒュヴィンカー教会は
唐松林の中にあります(1961年竣工)

DSCF1401.JPG
ちょうどキリスト教の祝日だったので礼拝中。
幾何学的な構造と窓からの光がきれいでした。

DSCF1416.JPG
ヒュヴィンカー鉄道博物館近くの木造教会。
築100年位らしいです。

DSCF1188.JPG
オタニエミ教会は安藤忠雄氏が水の教会を
設計する上で参考にしたと言われています。

DSCF1567.JPG
ヴィーキ教会はバス68番で約40分
Agronominkatで下車。

DSCF1574.JPG
JKMMアーキテクツ設計、2005年竣工。
木造教会で外壁の板は無塗装らしい。

Vol.533 住宅フェア in フィンランド

2014.02.17

フィンランドで毎年夏、ASUNTOMESSUT(アスントメッセ)という住宅フェアが開催されます。
さまざまな都市で持ち回り開催される住宅展示会で、昨年2013年はヒュヴィンカー。
実際に宅地を開発し、そこに住宅地や公園の他、幼稚園なども誘致するというプロジェクト。
ほとんどの家は、住む人が決まっていて、フェア中には内部も公開、
最新の住宅デザインや設備、インテリアを見る事が出来ます。
残念ながら私達が行った1月はフェアも終わり、住人の方が住んでいたので、
外部からの観察となりましたが、とてもいい勉強になりました。
今年2014年の開催地はアアルトの建築が多くあるユヴァスキュラ市。
このフェアでは来場者のアンケートでどの家が一番良かったかを決めるそうです。
一番になった家を教えてもらいましたが、『そうなんだあ』というのが第一声。
意外と新しいデザインでなく、古くからあるデザインが好まれるようです。
以前のブログにも書きましたが、この会場となった庭を設計したのが同級生。
日本の植物でフィンランドでも育つものをセレクトし、植えていました。
ちなみに、セルフビルド・・・家を自分自身で建てる事もフィンランドでは多いそうです。

DSCF1446.JPG
フィンランドで最近の流行は黒とグレーだそうです。

DSCF1445.JPG
日本にも馴染みそうなデザイン。

DSCF1444.JPG
一番施工費が高いと言われる住宅。

DSCF1460.JPG
林側は一面ガラス張りでゴージャス!

DSCF1450.JPG
私が一番良かったと思った屋根も外壁も板張りの家。

DSCF1454.JPG
林の中に溶け込んでいます。

DSCF1467.JPG
現実味のある家。

IMG_1493.JPG
なかなかシンプルで好きなデザイン。

DSCF1500.JPG
ASAKO.Hデザインの庭「三花園」

DSCF1490.JPG
東屋もあり、ここで4人でコーヒーブレイク。

DSCF1474.JPG
Chaenomelesは「ボケ」あがたの森にもあります!

DSCF1498.JPG
こんな遊び心のある石もみつけてください。

マンデーコラム










501.人間ドッグ
502.「家族でエコハウスをつくろう!」
503.暮らしの器と生活道具
504.白露さんの雲
505.日本の庭
506.キッチンをつくる
507.キッチンをつくる その弐
508.10th Aniversary
509.ささやかな夏休みの思い出
510.ジャネーの法則

511.松本まちなかゼミナール
512.添う
513.好きなモノ
514.ミステリー記念日
515.モッコウバラのフェンスDIY
516.キッチンをつくる その参
517.植栽エトセトラ
518.縁側のある暮らし
519.暮らしを楽しむRe;form
520.家の履歴書

521.ヤドリギとペチカ
522.ぺちゃくちゃないとNAGANO
523.夫婦で設計事務所
524.Mさんのこと。
525.光色と明るさ
526.2013年末


527.似ている!北欧と松本の暮らし
528.フィンランド国民年金協会(Aalto)
529.Atelier Aalto, 1955
530.Villa Aalto, 1936
531.Hyvää syntymäpäivää!
532.Kirkko(キルッコ)
533.住宅フェア in フィンランド

inserted by FC2 system